自費出版で本を作った。
時間をかけて文章を書き、何度も原稿を直して、ようやく一冊の本になった。
完成した本を手にしたときは、うれしかったのではないでしょうか。
ところが、しばらくすると別の悩みが出てくることがあります。
「作った本が、なかなか売れない」
知人や友人には紹介した。
SNSにも投稿した。
それでも思ったようには売れない。
手元には、まだ本が残っている。
では、自費出版した本をもっと多くの人に読んでもらうには、どうすればいいのでしょうか。
この記事では、自費出版した本を自分で販売する方法と、売れないときに見直したいポイントを紹介します。
自費出版した本が売れないのは珍しいことではありません
まず知っておきたいのは、
「本を出版すること」と「本を売ること」は別
だということです。
本が完成すれば、自動的に読者が見つけてくれるわけではありません。
これは自費出版に限った話ではありません。
どれだけ良い商品でも、その商品の存在を知らなければ購入することはできないからです。
特に初めて本を出した場合、
「本を作ること」
には多くの時間を使っていても、
「完成した本をどうやって読者へ届けるか」
までは、あまり考えていなかったということがあります。
本が完成したところで一つの大きな仕事は終わりました。
ここからは、本を知ってもらうための仕事が始まります。
まず「誰に読んでほしい本なのか」を考える
本を販売するときに、最初に考えたいのが、
「この本は、どんな人が読む本なのか?」
ということです。
たとえば、
- 自分の体験を書いた本
- 小説
- エッセイ
- 地域の歴史をまとめた本
- 趣味について書いた本
- 仕事の経験をまとめた本
- 専門知識を解説した本
- 写真集
- 画集
では、興味を持つ人が違います。
「自費出版しました。ぜひ買ってください」
だけでは、知らない人にとっては購入する理由がまだありません。
それよりも、
「この本は、○○に興味がある人に読んでもらいたい本です」
と考えてみる。
それだけでも、本を紹介する場所や伝える内容が見つけやすくなります。
自費出版した本を売る方法は一つではない
自費出版した本を販売する方法には、いくつかあります。
代表的なものとして、
- 出版社や出版サービスの流通を利用する
- オンライン書店などで販売する
- 書店へ相談する
- イベントや展示会などで販売する
- 委託販売できる店舗を探す
- SNSから販売する
- 自分のブログやWebサイトから販売する
- 知人や活動しているコミュニティで紹介する
などがあります。
本の内容によって、向いている方法も変わります。
全国の誰にでも読んでもらいたい本と、特定の地域について書いた本では、効果的な販売場所も違います。
一つの方法だけに絞らず、その本の読者がいそうな場所を考えてみることが大切です。
Amazonなどで販売できれば、それだけで売れる?
オンライン書店などで購入できる状態にしておくことは、本を販売するうえで便利です。
興味を持った人が、すぐに購入できるからです。
ただし、
「買える場所があること」と「本を知ってもらえること」は別です。
オンラインで販売を開始しただけで、多くの人がその本を見つけてくれるとは限りません。
これは、自分のWebサイトに販売ページを作った場合でも同じです。
本を販売できる場所を用意したら、次はそこへどうやって人に来てもらうかを考える必要があります。
SNSでは「本を買ってください」だけを繰り返さない
自費出版した本をSNSで紹介する人も多いでしょう。
SNSは個人でも使いやすく、本を知ってもらう入口として利用できます。
ただ、
本を出版しました。
販売中です。
よろしくお願いします。
という投稿だけを何度も繰り返しても、知らない人にはなかなか興味を持ってもらえません。
そこで、本そのものではなく「本の中にあるもの」を発信してみる方法があります。
たとえば旅行について書いた本なら、
- 本に入りきらなかった旅行の話
- 印象に残った場所
- 旅先で撮った写真
- 本を書くきっかけになった出来事
などを投稿できます。
仕事の経験をまとめた本なら、
- 仕事で学んだこと
- よくある失敗
- 本を書くことになったきっかけ
- 本の中から短く紹介できる内容
などがあります。
小説なら、
- 作品の舞台
- 登場人物について
- 執筆中のエピソード
- 本文の一部
- 作品を書くきっかけ
なども紹介できます。
「本を宣伝する」のではなく、その本に興味を持ちそうな人が楽しめる情報を発信する。
その中に、本への入口を置いておくという考え方です。
著者本人だから話せることがあります
自費出版した本を自分で販売するときには、大きな強みがあります。
それは、
あなた自身が、その本を書いた本人であることです。
なぜその本を書いたのか。
どんな経験から生まれたのか。
どこに一番時間がかかったのか。
本に書かなかった話は何か。
こうしたことは、販売店にはなかなか説明できません。
著者本人なら、自分の言葉で伝えられます。
ブログやSNSを使う場合も、
「本を買ってください」
という宣伝だけではなく、
その本の周りにある話を少しずつ発信する
ことで、読者との接点を増やすことができます。
本の一部を読めるようにする
知らない著者の本を買うのは、読者にとって少し勇気が必要です。
そこで、本の一部を紹介する方法もあります。
たとえば、
- 目次を掲載する
- 冒頭を公開する
- 数ページだけ試し読みできるようにする
- 印象的な一節を紹介する
- 本の内容を簡単にまとめる
などです。
内容が少しわかれば、
「これは自分が読みたい本かもしれない」
と判断しやすくなります。
ただし、出版社や出版サービスとの契約によって公開できる範囲に条件がある場合は、その内容を確認しておきましょう。
本のテーマそのものを記事にする
ブログやWebサイトを持っているなら、本のテーマに関する記事を書く方法もあります。
たとえば、
「定年後に始めた家庭菜園」
という本なら、
家庭菜園の始め方
育てやすかった野菜
失敗したこと
季節ごとの作業
など、本と関連する記事を書くことができます。
検索などからその記事を読んだ人が、
「この人は本も出しているんだ」
と知ることがあります。
本を直接検索している人だけを待つのではなく、本のテーマに興味を持っている人との接点を増やす方法です。
地域や専門分野の本なら「狭い場所」を探してみる
すべての本が、大勢の人に向けて販売する必要はありません。
むしろ自費出版では、特定の人に強く興味を持ってもらえる本もあります。
地域史について書いた本なら、その地域の人。
鉄道について書いた本なら、鉄道が好きな人。
園芸について書いた本なら、園芸を楽しんでいる人。
特定の仕事について書いた本なら、その仕事に関係する人。
こうした本では、
広く宣伝するより、興味を持ちそうな人が集まっている場所へ届ける
方が合っている場合があります。
地域のお店、イベント、サークル、関連するWebサイトなど、その本だからこそ置ける場所を探してみましょう。
手元にある本を自分で販売する
自費出版をすると、著者自身が何冊か、あるいはまとまった数の本を持っていることがあります。
その本を、自分で直接販売する方法もあります。
たとえば、
自分のブログで本を紹介
↓
購入ページへ案内
↓
注文を受ける
↓
購入者へ発送
という形です。
SNSから購入ページへ案内することもできます。
この方法なら、自分が発信している情報を読んで興味を持った人に、そのまま本を購入してもらう流れを作れます。
自分で発送するなら、送料も確認しておこう
本を直接販売する場合は、本そのものの価格だけでなく、発送についても考える必要があります。
確認しておきたいのは、
- 本のサイズ
- 重さ
- 梱包方法
- 送料
- 発送にかかる手間
- 追跡の必要性
などです。
1,000円の本を販売しても、送料や梱包費が大きければ、思ったほど手元に残らないこともあります。
販売価格を決めるときには、決済にかかる費用や発送費なども含めて考えておきましょう。
サイン本や著者からの直接販売という方法もある
著者本人が販売するなら、それを活かす方法もあります。
たとえば、
サイン入りで販売する。
購入者への短いメッセージを添える。
イベントで紹介した本を後から購入できるようにする。
こうした販売方法は、一般の書店販売とは少し違った価値を作ることができます。
もちろん、すべての本で必要なわけではありません。
ただ、
「著者本人から買う意味」
を作れる本なら、一つの方法として考えられます。
売れないからといって、すぐに値下げする必要はない
本が売れないと、
「価格が高いのかな」
と考えるかもしれません。
もちろん価格が原因の場合もあります。
しかし、その前に確認したいことがあります。
そもそも、その本を知っている人はどれくらいいるでしょうか。
知られていない商品は、価格を下げても知られないままです。
まず、
本を知ってもらえているか。
内容が伝わっているか。
誰に向けた本なのかわかるか。
興味を持った人が簡単に購入できるか。
このあたりを確認してから価格を考えても遅くありません。
「何冊売れたら成功か」は、本を作った目的によって違う
自費出版では、販売部数だけで成功や失敗を決める必要はありません。
自分の作品を一冊の本として残したかった。
家族へ残したかった。
長年調べてきたことをまとめたかった。
自分の経験を誰かに伝えたかった。
そうした目的で本を作る人もいます。
その場合、出版したことそのものに大きな意味があります。
一方で、
「せっかく作ったのだから、もっと多くの人に読んでもらいたい」
と思うなら、出版後に自分で販売や発信を続けることもできます。
本を作った目的と、これから何をしたいのかを一度分けて考えてみましょう。
ネットショップを作らずに自費出版した本を販売する方法
手元にある本を数種類販売するためだけに、大きなネットショップを作るのは大変だと感じることもあります。
そんな場合は、本ごとの販売ページを用意して、自分のサイトやSNSから案内する方法があります。
たとえば、
ブログで本について書く
↓
記事の最後に「この本を購入する」
↓
販売・決済ページ
↓
注文を受けて発送
という形です。
すでに著者サイトやブログを持っているなら、新しいネットショップを一から育てるのではなく、今ある場所を本の販売にも利用することができます。
MORI MORI CARTなら、自分のサイトやSNSから本を販売できます
MORI MORI CARTは、ネットショップを新しく作らず、今あるWebサイトやSNSから商品を販売するためのサービスです。
自費出版した本を商品として登録し、販売ページを作成。
そのページを、
- 自分のブログ
- 著者サイト
- 作品紹介ページ
- X
- その他のSNS
などから案内できます。
たとえば、本について書いたブログ記事の最後に、
「この本を購入する」
というボタンを置いて、販売ページへつなぐこともできます。
「本は一種類しかない」
「ネットショップを作るほど商品がない」
「すでにブログやSNSで情報を発信している」
という場合にも、販売方法の一つとして利用できます。
▼ブログやWebサイト用の販売カード例
▼SNSでの投稿例

まとめ|本が完成したら、次は「読者へ届ける」
自費出版した本が完成した。
これは、それだけでも大きな一区切りです。
ただ、もっと多くの人に読んでもらいたいのであれば、そこからもう一つ、
「本を読者へ届ける」
という仕事があります。
誰に読んでもらいたい本なのか考える。
本の内容や背景を発信する。
試し読みできる場所を作る。
本のテーマについて記事を書く。
興味を持ちそうな人がいる場所を探す。
そして、読みたいと思った人がすぐ購入できる場所を用意する。
一つひとつは、それほど大きなことではありません。
本を作ったときのように、全部を一度に完成させる必要もありません。
まずは、
「この本を読みそうな人は、どこにいるだろう?」
と考えるところから始めてみましょう。
本を完成させたところまでが「作る仕事」なら、
その本を必要としている人へ届けるのが、次の仕事です。
せっかく作った一冊です。
本棚や段ボールの中で待ってもらうだけではなく、こちらから読者との出会いを少しずつ作っていきましょう。
「本以外にも自分で作ったものを販売したい方」
→ 自分で作ったものをネットで売るには?
「漫画を自分で販売したい方」
→ 自作漫画をネット販売する方法
「PDFや電子データとして販売したい方」
→ PDFを個人で販売する方法
