自分で作ったPDF・画像・テンプレートを売るとき、著作権で気をつけること

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「自分で作ったPDFだから、自分の商品として売って大丈夫」

そう考えるのは自然なことです。

でも、そのPDFの中に使った写真は?

イラストは?

フォントは?

ネットで見つけた画像や文章を使っていない?

自分で撮った写真の中に、他の人が作った作品が大きく写っていない?

「自分で作った商品」と、「中に入っているものを全部自由に使える」は、同じとは限りません。

これはPDFだけではありません。

自作のイラスト、写真、ExcelやWordのテンプレート、教材、冊子などをネットで販売するときにも確認しておきたいことです。

この記事では、初めて自分で作ったものをネット販売する方向けに、著作権について販売前に確認しておきたい基本的なポイントを紹介します。

※この記事は、2026年9月時点の文化庁の公表情報などをもとに、初めてネット販売する方向けに一般的な内容をまとめたものです。実際の権利関係は作品や利用方法などによって異なります。


まず「自分の商品に何を使ったか」を確認しよう

著作権について考えるとき、

「これは自分で作った商品だから大丈夫」

だけで終わらせず、まず商品の中身を見てみましょう。

たとえば、自分で作ったPDF教材。

文章は自分で書いた。

レイアウトも自分で作った。

でも表紙には、インターネットで見つけた写真を使った。

この場合、

「PDFを自分で作った」ことと「表紙の写真を販売商品に使ってよい」ことは別の問題です。

商品を販売する前に、

文章は誰が作った?
写真は誰が撮った?
イラストは誰が描いた?
フォントは何を使った?
素材サイトから入れたものはある?
他人の作品を参考・利用している部分はある?

と、一度商品の中身を確認してみましょう。


そもそも著作権って何?

著作権法では、思想や感情を創作的に表現した文芸・学術・美術・音楽などの範囲に属するものを「著作物」としています。

たとえば、小説や文章、イラスト、写真、音楽など、さまざまなものが著作物になり得ます。

そして著作物を創作した人が「著作者」です。

著作権は、作品を作った時点で原則として発生し、権利を得るために登録などの手続をしなければならないものではありません。

そのため、

「ネットに普通に載っていたから、自由に使える」

とは限りません。

インターネットで公開されている写真やイラストにも、著作権がある可能性があります。

文化庁も、他人の著作物を利用する際には、保護対象となる著作物か、保護期間内か、権利制限規定に該当するか、誰が権利を持っているかなどを確認し、必要な場合には権利者から利用の許諾を得るという考え方を示しています。


Google画像検索で見つけた画像は「素材集」ではない

商品を作っていると、

「ここにちょっと写真が欲しいな」

と思うことがあります。

Googleなどで画像検索する。

ちょうどいい写真が見つかる。

保存する。

PDFに貼る。

完成。

……という使い方には注意が必要です。

画像検索は、自由に使える素材を集めたサービスではありません。

検索結果には、企業サイトの写真、ニュース記事の写真、個人が撮影した写真、イラストレーターの作品など、さまざまな画像が表示されます。

検索して見つけられることと、販売する商品に使えることは別です。

「ネットに公開されていた」

「保存ボタンが使えた」

「出典を書いた」

というだけで、自由に商品へ使用できるとは限りません。

他人が作った画像を使いたい場合には、その画像をどのような条件で利用できるのかを確認しましょう。


「無料素材」でも利用条件を確認する

写真やイラストなどを配布している素材サイトもあります。

こうしたサービスは便利ですが、

「無料でダウンロードできる」=「どんな商品にも自由に使える」

とは限りません。

素材ごと、またはサービスごとに利用条件が定められていることがあります。

たとえば、

商用利用できるか。

加工できるか。

クレジット表記が必要か。

販売商品への利用が認められているか。

素材そのものを再配布・再販売することは禁止されていないか。

利用できる点数などに条件がないか。

などです。

ここで重要なのは、単に

「商用利用OK」

という一言だけを見て判断しないこと。

自分がやろうとしている使い方が、そのサービスの利用規約やライセンスの範囲に入っているかを確認しましょう。


「商用利用OK」と「素材そのものを売っていい」は違う

これは特に、テンプレートやデジタル商品の販売で気をつけたいところです。

たとえば、商用利用できるイラスト素材を使ってチラシを作り、そのチラシを自分のお店で使用する。

これと、

そのイラスト素材を組み込んだテンプレートを作り、購入者が素材を取り出せる状態で販売する。

この二つが、同じ利用条件で認められるとは限りません。

素材サービスによっては、

制作物への商用利用は認めても、素材そのものの再配布や再販売は禁止する

といった条件を設けていることがあります。

そのため、

「商用利用できるって書いてあったから大丈夫」

だけでなく、

「この使い方で販売していい?」

まで確認することが大切です。


フォントにも利用条件がある

PDFやテンプレートを作るときには、文字のデザインを決めるフォントも使います。

フォントについても、

「パソコンに入っているから、どんな使い方でもできる」

とは限りません。

フォントやフォントソフトウェアには、それぞれ利用条件やライセンスがあります。

印刷物への使用。

画像としての使用。

PDFへの埋め込み。

Webでの使用。

販売するテンプレートへの利用。

こうした利用方法について条件が定められている場合があります。

販売商品にフォントを使うときには、そのフォントの提供元が示している利用規約やライセンスを確認するようにしましょう。

特に、購入者が編集できるテンプレートなどでは、完成した画像やPDFとして販売する場合とは扱いが異なることがあります。


自分で撮った写真なら何でも販売できる?

「写真は自分で撮影したから大丈夫」

これも、少しだけ立ち止まって確認したいところです。

自分で撮影した写真について自分が著作者となる場合でも、写真の中に何が写っているかによって別の権利などを考える必要があることがあります。

たとえば、

他人の絵画。

ポスター。

キャラクター。

彫刻などの作品。

あるいは人物。

こうしたものが写っている写真です。

ここでは「自分でシャッターを押した」という事実だけで、写真に関係するすべての権利問題がなくなるわけではありません。


写真に少し写り込んだものは全部ダメ?

街や室内で写真を撮れば、背景にポスターや絵などが偶然入ることもあります。

著作権法には、いわゆる**「写り込み」**について一定の条件のもとで著作物を利用できる規定があります。

文化庁は、たとえば本来の撮影対象とは別に背景へ小さく絵画などが写り込む場合を例として示しています。

ただし、

「写真の中に入っていれば、他人の作品でも何でも使っていい」

というルールではありません。

写り込んだ著作物が軽微な構成部分であることなどの条件があり、著作権者の利益を不当に害する場合には対象になりません。

文化庁は反対の例として、ポスターや絵画そのものを本来の撮影対象として撮影して利用する場合や、キャラクターの顧客吸引力を利用する形で商品を販売する場合などを挙げています。

そのため、

「写り込みだから大丈夫だろう」

と一律に判断するのではなく、他人の作品が商品価値の重要な部分になっていないかなども確認しましょう。


人物が写っている写真では、著作権以外にも注意する

人物が写っている写真を販売したり、販売商品の中で使用したりする場合には、著作権だけを確認すればよいとは限りません。

肖像やプライバシーなど、別の問題が関係することがあります。

この記事では著作権を中心に扱っていますが、

「自分で撮影した写真だから、写っている人物について何も確認しなくてよい」

とは考えないようにしましょう。

人物が商品写真や販売データに含まれる場合には、その写真をどのように利用できるのか、別途確認する必要があります。


本やWebサイトの文章をそのまま使わない

教材やPDFを作る場合には、文章にも注意が必要です。

調べものをするために、

本を読む。

Webサイトを見る。

資料を調べる。

これは普通のことです。

ただし、そこで読んだ文章をそのままコピーして自分の商品へ入れることとは別です。

事実やアイデアそのものと、それをどのような文章・表現で表したかは分けて考える必要があります。

「参考にした」

というだけで、他人の文章を自由にコピーできるわけではありません。

必要な情報を調べたうえで、自分で理解し、自分の文章として作ることを基本にしましょう。


「引用」と書けば自由に使えるわけではない

他人の文章や作品を紹介するときに、

「引用:○○」

と書けば何でも使えると思われることがあります。

しかし、著作権法上の「引用」には条件があります。

公表された著作物であることに加え、公正な慣行に合致し、報道・批評・研究など引用の目的上正当な範囲で行われることなどが必要です。

また、引用する場合には出所の明示が必要になる場合があります。

つまり、

「出典を書けば自由に転載できる」

わけではありません。

販売するPDFや教材に他人の文章・画像などを入れる場合には、

「引用と書けばいいだろう」

だけで判断しないようにしましょう。


AIで作った画像や文章なら大丈夫?

最近では、生成AIを使って文章や画像などを作ることも増えています。

ここでも、

「AIが作ったものだから、著作権は全部クリア」

とは考えない方がよいでしょう。

文化庁は、AIと著作権について、AI生成物の生成・利用段階でも既存の著作物との関係が問題になり得ることを整理しています。

既存の著作物に対する著作権侵害については、AIを使ったかどうかだけで決まるのではなく、既存著作物との類似性や依拠性などが問題になります。

たとえば、

「AIで生成したから、どんな画像でも自由に商品化できる」

と一律には言えません。

また、利用する生成AIサービス自体にも、生成物の利用や商用利用について利用規約が定められている場合があります。

AIを使って販売商品を作る場合には、

生成された内容だけでなく、利用したサービスの最新の規約も確認する

ようにしましょう。

なお、AI生成物そのものに著作物性が認められるかについても、「AIを使った/使っていない」という一点だけで機械的に決まるものではありません。文化庁は生成AIと著作権について継続して資料を公開しています。


「○○風」なら大丈夫?

イラストや画像を作るとき、

「この作品そのものをコピーしたわけではない」

という場合もあります。

著作権は一般にアイデアそのものではなく、創作的な表現を保護するものです。

そのため、単にテーマやアイデアなどが似ていることと、著作権侵害になることは同じではありません。

一方で、

既存作品の具体的な創作的表現まで似ている場合には別の問題になります。

特に販売する商品では、

「完全なコピーではないから大丈夫」

だけで判断せず、既存作品の具体的な表現に強く依存していないかを確認しましょう。

AI生成物についても、文化庁は既存著作物との「類似性」と「依拠性」が著作権侵害を考えるうえで重要になると整理しています。


自分で作ったものにも著作権がある

ここまで「他人の権利に注意しよう」という話をしてきました。

でも、反対側もあります。

自分が創作した文章、写真、イラストなどが著作物に当たる場合には、自分自身が著作者となります。

著作権は、原則として創作した時点で発生します。

つまり著作権は、

「商品を売るときに邪魔をするもの」

だけではありません。

自分が作ったものを守るための権利でもあります。

ネット販売を始めるなら、

「他人のものを勝手に使わない」

と同時に、

「自分が作ったものにも権利がある」

という両方を知っておきましょう。


販売前に一度「中身の持ち物検査」をしてみよう

商品が完成したら、販売ボタンを押す前に一度だけ確認してみましょう。

たとえば、

文章
自分で書いた? 他人の文章をそのまま使っていない?

写真
自分で撮った? 素材なら販売用途で使える?

イラスト
自作? 他人の作品や素材を使っているなら条件を確認した?

フォント
今回の使い方がライセンスの範囲に入っている?

素材サイト
「無料」だけでなく利用規約まで確認した?

人物・他人の作品
写真などに含まれていない? 別の権利の確認は必要ない?

AI
既存作品との関係に問題はない? 利用したサービスの規約も確認した?

全部を難しい法律用語で考える必要はありません。

まずは、

「この商品を作るとき、自分以外の誰かが作ったものを使っていない?」

と確認するところから始めれば、見落としを減らせます。


分からないものは、そのまま販売しない

確認していると、

「この素材、昔ダウンロードしたけど、どこからだったかな」

「このフォント、商用利用できたっけ?」

「この写真に写っているもの、大丈夫かな?」

というものが出てくることがあります。

そんなときは、

分からないまま販売しない

という選択があります。

配布元を確認する。

利用規約を探す。

自分で作った素材へ差し替える。

販売用途が明確に認められている別の素材を探す。

必要なら権利者に確認する。

それでも判断が難しい場合には、専門家への相談が必要になることもあります。

販売を急いで問題を抱えるより、一度確認してから公開する方が安心です。


MORI MORI CARTで販売するときも、商品の権利を確認しよう

MORI MORI CARTでは、ネットショップを丸ごと作らなくても、一つの商品から販売ページを作れます。

PDF、画像、テンプレートなどのデジタル商品や、ハンドメイド作品などの物販にも利用できます。

ただし、販売サービスを利用することで、販売する商品の権利関係まで自動的に問題がなくなるわけではありません。

商品を登録する前に、

自分で作ったものか。

他人の素材を使っていないか。

使っているなら、その利用方法が認められているか。

購入者へ伝える必要がある利用条件はないか。

一度確認しておきましょう。

そして価格を決め、商品説明を書き、販売条件を確認したら、商品ページを公開する準備が整ってきます。


「自分で作った」から、もう一歩だけ確認しよう

初めて自分の商品を販売するとき、著作権についてすべてを専門家のように覚える必要はありません。

でも、

「自分で作ったから大丈夫」

で終わらせず、

「中に使ったものも確認した?」

まで考える。

この一歩は大切です。

ネットで拾った画像。

素材サイトのイラスト。

フォント。

他人の文章。

写真に写った作品や人物。

AIで作った画像。

商品を作る方法が増えた分、さまざまなものを組み合わせて作品を作れるようになりました。

だからこそ販売前に、一度だけ中身を確認する。

誰が作ったものなのか。
どんな条件で使えるのか。
販売商品として使ってよいのか。

分からなければ調べる。

使えないなら別のものに替える。

それだけでも、安心してネット販売を始めるための大切な準備になります。

「自分で作ったものだから大丈夫」から、「中に使ったものまで確認したから販売しよう」へ。

商品を公開する前に、一度だけ確認してみましょう。


参考:文化庁の情報

著作権について判断するときは、利用している素材やサービスの規約とあわせて、最新の公的情報も確認してください。

文化庁「著作権」

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